秋といえば食欲の秋。
食欲の秋といえば、やっぱり、たっぷり脂がのった秋刀魚(さんま)の塩焼きが美味しいですよね。
さんまは、とっても美味しく、DHA、EPAが豊富です。
また、血液をサラサラにしてくれて、瞳とお肌を乾燥から守ってくれるため、美容やダイエットを気にしている人の心強い味方にもなってくれます。
そんな秋の味覚、さんまは、とっても安く手に入るので、お魚コーナーでついついたくさん買ってしまうこともしばしば。
ところが。
そんなさんまが、今年は食べられないかもしれないんです!!
2016年9月12日に産経WESTで、このようなニュースが載っているのを目にしました。
阪市平野区のスーパー「アプロ平野店」。セール商品が並ぶ中、鮮魚コーナーのサンマは1匹298円の値段を付けていた。買い物に訪れていた同区の会社員、川北敬子さん(52)は「子供も好きだし、季節のものなのに、こんな値段では気軽に食べられない」とため息をついた。
出典:http://www.sankei.com/west/より抜粋
↑の鮮魚店では、場合によっては400円でさんまを販売しなければいけない日もあるそうです。
え!?
400円って、ちょっと高すぎませんか!?
惣菜コーナーで売っているトンカツ(298円)よりも高いですよね!!
ちなみに、私の住んでいる埼玉県のスーパーマーケット『マミーマート』では、去年は、さんまは安いときは200円どころか100円を切っていたんですけれど。。。
なのに、サンマ一匹で400円は高い!
高すぎます!!
どうした?
一体、何があった!?
どうして、そんな事態が生じてしまったのでしょうか。
今回は、さんまの価格高騰の原因と、さんまが手に入らない状態に備えて、さんまの代用魚について考察してみました。
まずは、さんまの価格高騰の原因から解説してみましょう。
さんまの価格高騰には、3つの原因があります。
【さんまが高騰している原因】
2、海水温上昇
3、台湾の乱獲
それでは、一つ一つ順番に解説していきましょうか。
台風の影響
さんまが高騰している原因の一つとして、台風が挙げられます。今年は、台風が相次ぐ異常気象ですよね。
サンマ漁の多くは、北海道や東北を拠点にした漁船が行っているのですが、今年は8月に合計で6つも台風が接近・上陸したため、十分なサンマ漁を行うことができませんでした。
そのせいで、サンマ漁をすることができず、需要と供給のバランスが合わず、それがさんまの高騰の原因となっているんです。
海水温上昇
さんまは、北からの寒流に乘って日本の近海に集まります。
しかし、国立研究開発法人水産研究・教育機構によれば、今年は海水温が高い状態なので、さんまが日本近海に寄ってこない状態とのことです。
したがって、サンマ漁に出ても、あまりさんまが取れない状態が続いています。
台湾の乱獲
実は、台湾では今、さんまが和食ブームで大人気となっており、サンマ漁が盛んにおこなわれています。
同機構によれば、台湾漁船が、北海道沖の日本の排他的経済水域(EEZ)のすぐ外側の公海上に、サンマ漁のシーズンになると台湾漁船が一挙に集まってくるのだとか。
サ、サ、サンマが獲り尽されてしまう。。。
やめてー!
私たちのさんまも獲らずに残しておいてーっ!!
という感じですよね。
しかも、台湾の漁船は1200トンと日本の6倍以上あります。それだけならいざ知らず、船内には冷凍施設が備えてあり、数カ月にも及んで、海上に留まって漁を続けることができるのです。
これでは、さんまが獲り尽されてしまい、さんまが日本の食卓から消えてしまうのも時間の問題、という気がしてきます。。。
市場関係者も、台湾の漁船が、日本近海に集まる前のさんまを根こそぎ獲っているこの現状に危機を覚えているようです。
さんまが高騰して買えない場合、さんまの代用魚は?
繰り返しになりますが、さんまは、安くて、脂が乘っており、とっても美味しい秋の旬魚です。
それだけじゃなく、さんまは、DHAやEPAが豊富に含まれており、美容やダイエットに気をつけている女性に最適ですし、受験勉強をしている学生さんや、日々、頭脳労働をする社会人にもうってつけの食材です。
そんな日本食である『さんま』が、日本の食卓から消えてしまう事態なんてあってはならないことですよね。
しかしながら、他国の漁の問題について、私たち一市民が何かを言ったからと言って、容易くどうにかなるというものでもありません。
なので、台湾の漁船が、さんまを獲りすぎてしまえば、さんまが日本で手に入らない事態に陥ることもあり得るでしょう。
もしかしたら、2016年の秋は、さんまを一匹も食べずに過ごすことになってしまうこともありうるのでしょうか。
さすがに、そんな切ないことにはならない、と考えたいのですが、もしかしたら、ということもあるでしょう。
なので、さんまが手に入らないという事態に備えて、さんまの代用になりそうな安いお魚について考えてみました。
でも、さんまと同様に美味しくて、また、それ以上にDHA、EPAが含まれている魚なんてあるのでしょうか。
まずは、一般的な食卓に並ぶことの多い魚たちに含まれるDHA、EPAの含有量を表にしてみました。
魚の種類 | DHA含有量 | EPA含有量 |
---|---|---|
本まぐろ(トロ) | 2,877mg | 1,288mg |
まだい(養殖) | 1,830mg | 1,085mg |
ぶり(天然) | 1,785mg | 899mg |
さば | 1,781mg | 1,214mg |
さんま | 1,398mg | 844mg |
まいわし | 1,136mg | 1,381mg |
さけ | 820mg | 492mg |
あじ | 748mg | 408mg |
かつお | 310mg | 78mg |
かれい | 202mg | 210mg |
ひらめ | 176mg | 108mg |
本まぐろ(赤身) | 115mg | 27mg |
ふぐ | 10mg | 4mg |
↑の表で見たところ、本まぐろ(トロ)や真鯛、ぶり、さば、まいわしが、どうやら、さんまと同等程度か、それ以上にDHA、EPAを含有していると言えそうです。
また、秋が旬の魚についても調べてみました。
秋が旬の魚には、以下のようなものがあります。
【秋が旬の魚】
・アマダイ ・鯛 ・かつお ・かれい
よって、DHA、EPAという栄養素についても考慮し、比較的、安価なものというと、ぶりやさばを食べるのが良さそうですが、秋が旬ではないのが難点です。
なので、さんまと比較すると、若干、DHAやEPAの含まれる割合は少ないのですが、秋が旬の魚としてさんまの代用になる魚としては、あじを食べるのが良いのではないかと思います。
とはいえ、栄養素が似通っているから、あじで我慢するというのも何か違いますよね。
理想は、日本の人も、台湾の人も、それぞれ、他の人のことを考えながら漁ができれば、それが一番です。。。
お互いに気を使いながら、漁をしたり、それ以外の商売をしたりできれば、お互い反発する感情も生まれず、気持ちよく一緒に生きることができるのではないかと思うのですが。
日本人が知らず知らずのうちに踏みにじってしまっている他国の人たちの利益も含めて、お互いがお互いのことを考えながら生きるということは、そんなに難しいことなのかな、と最近はそんな思いを巡らせています。